検証対象

高市早苗 ワクチンを打ったが、 キャップを付けたまま接種💉
一般ユーザーのX投稿(2025年11月6日、約1400リポスト)
(※画像付き投稿。元国会議員秘書・藤江成光氏の投稿を引用)
判定

問題の画像において、注射器の針はキャップに見える部分の先に付いており、高市氏の腕に刺さっているため、写っていないと考えられる。また、高市氏は腕に刺さる針がはっきりと写った別の写真も公開している。
ファクトチェック
検証対象の投稿は、元国会議員秘書・藤江成光氏による新型コロナウイルス感染症ワクチンのリスクに関する投稿を引用しながら、現首相である高市早苗氏がワクチン接種を受けた際に使用した注射器が「キャップを付けたまま」だったとコメントしている。投稿に添付された画像には、「高市早苗さんキャップ付いてるよ」という文字とともに、注射器の先端を指し示す矢印が描かれている。
特別な形状の注射器
投稿者は、高市氏は針にキャップが付いたままの注射器を使い、ワクチンを打ったかのように装っていたと主張しているようだが、これは誤りである。
問題の画像は2021年9月、首相就任前の高市氏が新型コロナワクチンの2回目の接種を受けた時の写真を基にしており、元画像は高市氏自身のTwitter(現X)やInstagramのアカウントにも投稿されている。画像を拡大すると、高市氏の腕にあてられた注射器は先端付近に黒い突起型の部分があり、その上に透明のキャップがかぶさっているようにも見える。

しかし、針は実際にはキャップのように見える部分の先に取り付けられていて、高市氏の腕に刺さった状態のため、この画像では見えていないと考えられる。
注射器の黒い部分はワクチン液を押し出すための「ガスケット」と呼ばれる部品だ。このような突起型のガスケットは、「ローデッドスペース」と呼ばれるタイプの注射器(以下「ローデッド注射器」)の一部で採用されている。ローデッド注射器は注射後に注射器内に残って無駄になる液を極力減らせるように設計されていて、当時は新型コロナワクチンの供給が限られる中、効率的にワクチンを利用するため、各社が増産に乗り出していた(参照1、2)。
ローデッド注射器の構造にはいくつかの種類があるが、そのうちの一つが先の細い突起型のガスケットを使うもので、ガスケットが注射器の奥まで届くことで液をできるだけ多く押し出せるようになっている。


高市氏のワクチン接種で使われた注射器がどこのメーカーのものかは不明だが、これと同様の突起型ガスケットを採用するローデッド注射器だったと考えられる。注射の際には下図のように針が取り付けられるが、取り付け部はちょうどキャップのような形をしており、高市氏に使われた注射器も同様の構造だった可能性が高い。

針の見える写真を公開
また、高市氏自身もワクチン接種を装ったとする情報を否定。2022年2月に、「ネット上で『国会議員はワクチン打ってるフリをしている疑惑』があるようですが、ちゃんと打ってます😄」として、同じワクチン接種の場面を写したと思われる別の写真をTwitter(現X)で公開した。そこでは高市氏の腕に刺さる針の先端がはっきりと写っており、注射器の全体像も確認できる。

なお、同年3月には、3回目のコロナワクチン接種の際の写真も公式サイト上で公開している。
「キャップ付けたまま」は誤り
以上のように、問題の画像でキャップが付いているように見える部分は注射器の先端ではなく、針はその先で高市氏の腕に刺さった状態になっていると考えられる。また、高市氏自身が針が写る別の写真を公開していることからも、「キャップを付けたまま接種」という投稿は「誤り」と判定する。
(大谷友也)






