検証対象
「ガチ中華」にハマる若者 受け入れない親は「中国を下に見ている」
朝日新聞デジタル記事見出し(2022年9月28日)
判定
「中国を下に見ている」というのは、インタビューに答えた女性が中国のドラマを受け入れない親について述べた言葉であり、「ガチ中華」を受け入れないことについての言葉ではない。
ファクトチェック
「受け入れない」のは中国ドラマ
記事では、互いの国の文化に親しむ日中の市民へのインタビューを中心に、両国間の文化的交流や国民の意識について述べられている。「ガチ中華」(日本向けにアレンジされていない本場風の中国料理)に関する内容は、4000字近い記事中の前半の一部分だけだ。
記事冒頭部分には、中国のアニメをきっかけに「ガチ中華」などの中国文化に親しむ男性が登場している。見出しに引用された「中国を下に見ている」という言葉は、その次に紹介された女性によるものだ。
川崎市で2児を育てる女性(30)もアニメをきっかけに中国文化のファンになった。中国茶や菓子にも興味がわき、中国食材店を回ることも。
一方で、50代の親にドラマを勧めても受け入れてもらえないという。「中国を下に見ているのでは」と世代の差を感じる。「『ガチ中華』にハマる若者 受け入れない親は『中国を下に見ている』」(朝日新聞デジタル
、2022年9月28日)
より
この部分はデジタル版では有料配信になっており、無料では読むことができない。
紙面は見出しが異なる
これと概ね同内容の記事が、紙面では翌29日の朝刊1・2面に特集として掲載されている。中国文化に親しむ日本人については独立した記事として1面に掲載されているが、紙面ではデジタル版と異なり、「『ガチ中華』ハマる若者 アニメ入り口『豊かでおもしろい国』」という見出しになっている。
デジタル版の見出しは、「中国を下に見ている」という言葉が「ガチ中華」を受け入れない親に対するものとの誤解を招くことから、「ミスリード」と判定した。
(小俣杏香、大谷友也)