検証対象

▶️エリザベス女王を一言で述べると 彼女は政治家だった。誰よりも英国を思う政治家だった。そして英国の誇りを守る王だった。 無礼な習と握手する時は黒い手袋で。 王室マナーを理解しないトランプさんとは白い手袋で。 世界最古の王室は素手はもちろん、最高待遇で。 全てが計算されていた。
(※画像付き投稿)

一般ユーザーのTwitter投稿(2022年9月9日、約8000RT)

判定

根拠不十分

判定の基準について

エリザベス女王の握手の際の手袋の有無や色は、同じ相手に対してでもまちまちであり一貫していない。また、多くの各国要人とも黒い手袋で握手をしていて、特別な意味があったとは考え難い。

ファクトチェック

検証対象のツイートでは、先日死去したイギリス女王エリザベス2世が、中国の習近平国家主席、アメリカのドナルド・トランプ前大統領、日本の明仁天皇(現上皇)とそれぞれ握手する写真を示し、「無礼」だったり「王室マナーを理解しない」相手には黒や白の手袋を着けて、敬意を払う相手には素手で握手をしたと主張している。

同じ相手でも手袋は一貫せず

エリザベス女王と習近平氏との握手写真は2015年、トランプ氏との写真は2018年のもの。明仁天皇の写真は2012年、女王の即位60周年を記念しウィンザー城で行われた昼食会の前の場面である。

しかしながら、女王の手袋の有無や色に特別な意味が込められていると考えるのは難しい。上述のように黒い手袋を着けて握手をした2日後、女王は今度は習氏と素手で握手していて、同じ相手でも手袋の有無は一貫していないことが分かる。なお、この時の中国の使節団について女王は後に「とても失礼」だったと発言している

また、明仁天皇との握手に関しても別の機会では白の手袋を着けていて、こちらも特に決まりはないようだ。

他の要人との握手は?

エリザベス女王が各国の要人や有名人と握手を交わした写真をまとめた英紙ガーディアンの記事を見ても、相手への敬意の度合いによって手袋が使い分けられているとするのは無理があるようだ。記事中に挙げられている女王と握手した人物を、手袋に着目して分類すると次のようになる(敬称略、肩書は当時)。

黒い手袋:ニコライ・チャウシェスク(ルーマニア大統領)、ジョン・センタム(ヨーク大主教)、レディ・ガガ(歌手)、ロバート・ムガベ(ジンバブエ大統領)

白い手袋:マーティン・マクギネス(北アイルランド自治政府副首相)、ジョーン・コリンズ(女優)、ハイリュンニサ・ギュル(トルコ大統領夫人)、カブース・ビン・サイード(オマーン国王)、マヒンダ・ラージャパクサ(スリランカ大統領)、デービッド・キャメロン(イギリス首相)

素手:ハーミド・カルザイ(アフガニスタン大統領)、ネルソン・マンデラ(元南アフリカ大統領)、ロナルド・レーガン(アメリカ大統領)、ジョージ・ブッシュ(子)(アメリカ大統領)、ヨハネ・パウロ2世(ローマ教皇)、バラク・オバマ(アメリカ大統領)

このように、女王は各国の首脳から王族、宗教指導者、芸能人など、様々な地位や職業の相手と握手をしているが、その際の手袋の様子に一貫した傾向は見出せない。

教皇や昭和天皇とも黒手袋で握手

また、エリザベス女王はオランダのウィレム・アレクサンダー国王、前ローマ教皇のベネディクト16世、自身の孫であるウィリアム王子とすらも黒い手袋で握手をしている。さらに言えば、1971年の昭和天皇との握手でも女王は黒い手袋を着けていた。これら全てが相手の「無礼」を表すサインだったとは考えにくいだろう。

以上のことから、女王の手袋の有無や色が「全てが計算されていた」という主張は「根拠不十分」と判定する。

(大谷友也)

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