検証対象

あってはならない事が起きました。集落でコロナ感染者が発生した。本日自治会で緊急会合を行い、当該宅のペナルティとしてゴミスーションの利用停止と町内会費5倍支払いを決した。納得出来なければ集落からの退去。コロナ宅隣家のヨメが自治会で禁止した花火大会に行ったのを確認しており、続 #コロナ

花火大会で感染したらしい。 お互いに隣家の監視を強化して帰省客や部外者が集落に入らないよう取り決めした。 集落でコロナ感染者は出るのはあってはならない。 #秋田 #コロナ #全てのイベント中止を求めます

一般ユーザーの一連のTwitter投稿(原文ママ。2022年7月25日、それぞれ約2500RT・約900RT)

判定

根拠不十分

判定の基準について

このユーザーのツイートやプロフィールには不審な点が多く、故意に事実でない話を投稿している可能性が否めない。

ファクトチェック

投稿者であるユーザーは、ある集落で新型コロナウイルスの感染者が発生した家に対し自治会から苛烈な「ペナルティ」が科されたと主張。「秋田ハタハタ釣り速報」というアカウント名や「#秋田」というハッシュタグから、これが秋田県内の出来事であることが示唆されている。

このユーザーは、このような「村八分」的な行為について、「昔からの素晴らしい伝統」と支持するツイートも行っている。

ちぐはぐな地名の記述

リトマスではこのユーザーに対しダイレクトメッセージを送り、集落の具体的な場所など詳細を尋ねているが、本稿執筆現在返答は得られていない。確定的な情報が伏せられている以上、このような「村八分」的行為が行われている集落が実在するか否かを完全に証明することは難しい。

とはいえ、このユーザーについて詳しく見てみると、数多くの不可解な点があることが分かる。

まず、このユーザーはあたかも自分がこの秋田の集落の住民であるように語っているが、過去には「私は関西人」「東北旅行にも行きます」など県外在住らしきツイートもしていて、特に前者のツイートは「ペナルティ」のツイート投稿(7月25日)より後に削除されている(上記アーカイブは26日取得)。他にも、いくつかのツイートでは位置情報に「大阪市住之江区」や「奈良県橿原市」と表示されている。

また、一見普通の釣果報告のツイートでも、ネット上の画像を転載して自分が釣ったように見せかけているケースがあり、普段からどの程度正確な情報を発信しているのかは不明だ。

左は当該アカウントによる2021年11月のツイート。右は「秋田県農林水産情報こまちチャンネル」より、2004年のハタハタ漁の様子。左のツイートでは「青森の某漁港」と書いていながら位置情報が秋田県能代市になっているという矛盾もある。

さらに不審なのが、アカウントのプロフィールに記載されている「南馬宿村」という言葉だ。これは2015年頃からネット上で語られている実在しない地名であり、秋田県内に存在する、凄惨な「村八分」が行われているといった架空の設定は、今回のツイートに登場する集落と類似している(参照)。

当該アカウントのプロフィール。場所は「南馬宿村」とされている

非常識なツイートを連発

さらに、このユーザーの他のツイートを見ると、繰り返し非常識な発言を行っていることが確認できる。

例えば、ロックバンドの打首獄門同好会を「恐ろしい集団」と危険視したり、auの通信障害に対し「24時間不眠不休」で対応するべきと主張しながらauのサブブランドのUQモバイルに乗り換えると言ったりと、本気とは思えないような勘違いや矛盾を含む荒唐無稽なツイートが目立つ。また、「嘘でもいい」と釣り客のゴミ問題を捏造するよう呼びかけるツイートもしている。

ツイートの例

これらの要素を総合すると、このユーザーはわざと嘘や稚拙な発言をして他人の反応を楽しむ、いわゆる「」を行っている可能性が否定できない。

誤った情報を意図的に発信するのはリトマスのレーティング基準で「虚偽」にあたるものの、その証拠は無く、「ペナルティ」の話が事実である可能性を全く排除するのは難しい。したがって、このツイートは「根拠不十分」(事実でないと断定できないが、事実とみなすための証拠・根拠が無いか非常に乏しい)と判定する。

(大谷友也)

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