本日、日本におけるファクトチェックの普及・推進活動を行う非営利団体ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)が主催する「ファクトチェックアワード2025」の受賞作が発表され、リトマスのファクトチェック記事「イスラエル人襲撃事件 ロイター配信動画はミスリード 国内外の多数メディアが追従」が最高賞である大賞に、「『高血圧の基準が変わった』は誤り 診断基準値に変更なし」が優秀賞に、それぞれ選ばれました。リトマスは2023年の大賞受賞、2024年の優秀賞受賞に続き、3年連続の入賞となります。

ファクトチェックアワードは「社会的関心の高い事柄に関して人々を誤解させるおそれのある情報を検証し、正確な事実の共有に貢献した作品を顕彰しその社会的意義を広める」ことを目的としており、今回が3回目の開催となります。選考は学識経験者やFIJ理事の方々から成る委員によって行われ、「検証対象の社会的重要性・公共性」「コンテンツの質・公正性」「独創性」「社会的インパクト」といった項目が審査されます(詳細はFIJのアワード概要サイト参照)。

今回大賞を受賞したリトマスの記事「イスラエル人襲撃事件 ロイター配信動画はミスリード 国内外の多数メディアが追従」では、オランダで起きたイスラエル人襲撃事件に関連してロイター通信が配信した動画と画像が、実際にはイスラエル人によるオランダ人に対する襲撃を映したものである可能性が高いことを示し、この動画や画像が国内外の多数のメディアに使用されている様子を明らかにしています。

審査では、「各国メディアによる報道内容に加え、元動画や別の角度の映像など、多角的な証拠を丹念に突き合わせ」たことや、「国内の報道機関への直接取材が、記事や動画の説明の訂正・削除などの対応に繋がっており、正確な情報の流通に寄与した」ことが高く評価されました。

また、優秀賞を受賞した「『高血圧の基準が変わった』は誤り 診断基準値に変更なし」は、「今年の4月から高血圧の基準値が160/100mmHgに変更になった」とする情報が誤りであることを各種資料を基に説明しつつ、時に医療従事者からも誤った解説がされている状況を示しています。

審査では、「専門知識が問われるような分野ながら、ていねいに資料確認などを重ねていることが記事から伝わり高い信頼感を得ること」ができたとして高く評価されました。

リトマス編集長・大谷友也のコメント:
今回のアワードで、リトマスは2度目の大賞と2度目の優秀賞を同時に受賞することができました。リトマスのファクトチェックの品質が一貫して高い評価を受け続けていることを誇りに思います。

大賞の記事は世界的な通信社の報道を取り上げたものです。日本国内でも配信された動画や画像を数多くの大手メディアが使用する事態となり、その影響は非常に大きいものでした。検証の過程でリトマスが各メディアに取材したことにより、ほとんどのメディアが訂正や削除などの対応を行ったことは、ファクトチェックの大きな成果の一つと言えます。

昨今、新聞やテレビなどの既存メディアの中でもファクトチェックの動きが本格化し、政治家の発言やネット上の言説などが検証の対象として取り上げられることが多くなっています。しかし、リトマスは公に発信されたあらゆる情報をファクトチェックの対象としており、メディア報道もその範囲内です。今回リトマスの指摘をきっかけに多くのメディアが正確な情報に目を向け、真摯な対応を取っていただいたことは、とても喜ばしいことだと感じております。誤った情報の流布に対抗する仲間として、今後もご協力いただけることを期待しています。

優秀賞の記事では、SNS上で拡散された健康に関する情報を対象としています。検証においては、専門的知識や複数の制度運用が関係する複雑な話を分かりやすく伝えることに力を入れました。私たちリトマスのメンバー自身も必ずしもこの分野の専門家というわけではなく、一般読者の目線から納得のいくまで議論を重ねながら記事を執筆しました。

ファクトチェックに対する世の中の関心が深まり、より多くの団体や個人が担い手として参加することで、来年以降のアワードが一層レベルの高いものになることを期待しています。その中にあっても、リトマスは変わらず質の高いファクトチェック記事を作り、引き続き評価していただけるよう、これからも努力していきます。

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