本日、日本におけるファクトチェックの普及・推進活動を行う非営利団体ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)が主催する「ファクトチェックアワード2024」の受賞作が発表され、リトマスのファクトチェック記事「のり弁当の添加物表示ラベル画像は正確 偽造疑う指摘拡散も」が優秀賞に選ばれました。昨年の大賞受賞に続き、リトマスは2年連続での入賞となります。
ファクトチェックアワードは「社会的関心の高い事柄に関して人々を誤解させるおそれのある情報を検証し、正確な事実を共有することに貢献した作品を顕彰し、その社会的意義を広める」ことを目的としており、今回が2回目の開催となります。選考は学識経験者やFIJ理事の方々から成る委員によって行われ、「検証対象の社会的重要性・公共性」「コンテンツの質・公正性」「独創性」「社会的インパクト」といった項目が審査されます(詳細はFIJのアワード概要サイト参照)。
今回優秀賞を受賞したリトマスの記事は、Xの投稿画像とそれを偽造と指摘するコミュニティノートとを取り上げ、食品表示関連の法令や製造者への取材を基に、投稿画像は「正確」でコミュニティノートの指摘が誤っていることを明らかにするものとなっています。
審査では、「氾濫する誤情報に対し、コミュニティノートのように、それらを訂正する手段が普及しはじめ、その影響力も高まっている、期待もされていると考えられる中で、そちらも安易に鵜呑みにすべきでないという事実を示した好例」として高く評価されました。
リトマス編集長・大谷友也のコメント:
大手メディアも含め日本のあらゆるメディア・個人によるファクトチェックが対象となる中で、昨年に引き続きリトマスの記事が優秀作品に選ばれたことを大変喜ばしく思います。今年の受賞作のファクトチェック記事は、くしくも昨年と同じく、検証対象の内容を「正確」と判定するものでした。当時日本で本格的始動したばかりだったコミュニティノートは、深刻化する誤情報・偽情報への対策としてプラットフォーマーの役割が重視される中で、その実効性が大きな注目を集めた新機能です。記事で取り上げたノートは本来の仕組みとは違うスクリーンショット画像という形で拡散されたものだったとはいえ、この機能が必ずしも万能ではなく、かえって誤りを生む可能性もあると示した点で、大きな意義のある記事となったと思います。
また、記事では事実(ファクト)と意見(オピニオン)の切り分けというファクトチェックにおける大原則にも気を配り、食品安全に関する個人の見解に支持も反対も示さないという方針を徹底しています。検証の対象に含めることと含めないことを冒頭から明示し、文中の細かい表現にも留意することで、ファクトチェックはあくまで事実の検証のみに留まるという姿勢が読者の皆さんに伝わるよう努力しましたので、そういった点にも着目して読んでいただけると幸いです。
社会全体の課題として誤情報・偽情報への対策がますます注目されている昨今、質の高いファクトチェックの存在意義も高まっていると感じています。私たちリトマス一同はその責務を自覚しながら、今後もより優れた検証活動を行えるよう、一層の努力を続けていきます。
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