検証対象

テレビは中共の工作機関 もし違うと言うなら これを報道しない理由が知りたい
(※画像付き投稿)

一般ユーザーのX投稿(2024年1月29日、約8600リポスト)

判定

不正確

判定の基準について

この画像は2018年の西日本豪雨の際に起きた、兵庫県姫路市の太陽光発電パネル崩落事故の現場を写したものである。この事故についてはいくつかのテレビ報道があったことが確認できる。

ファクトチェック

検証対象の投稿では、日本のテレビ局は「中共(=中国共産党)の工作機関」だと主張し、その根拠として土砂崩れで崩落した太陽光発電パネルの画像を添付している。この投稿は元海上保安官の一色正春氏も「中共の工作機関かどうかは、わかりませんが、これを報道していないとすれば異常」という留保付きのコメントと共に引用し、約4800リポストを獲得している。

本稿では「テレビは中共の工作機関」とする主張の真偽は議論せず、テレビがこの崩落事故を報道しなかったというのが事実かどうかのみを検証することとする。

2018年姫路市での崩落事故

投稿画像は2018年7月26日のデイリー新潮の記事に掲載されたのと同じもので、写っているのは同7日に発生した兵庫県姫路市の太陽光発電パネル崩落事故の現場だ。記事によれば、西日本豪雨の影響で傾斜地に設置されたパネルが約3600平方メートルにわたって崩落したという。

この事故については、神戸新聞NEXTの同13日の記事や、産経新聞の8月1日の記事などが取り上げている。G-Search新聞記事データベースで検索すると、その他に東京新聞(8月2日)や朝日新聞(9月12日)が災害時の太陽光発電所の問題について取り上げた記事を掲載し、その中で姫路市の崩落事故についても言及していることが分かる。

その後も、朝日新聞(2018年11月2021年5月)や読売新聞(2023年5月)の記事で、この事故について取り上げられたり写真が掲載されたりしていることが確認できる。

テレビでも報道あり

それでは、テレビではこの崩落事故について報じているのだろうか。G-Searchテレビ番組放送データで検索すると、いくつかの報道を見付けることができた。

2018年7月17日、関西テレビの関西ローカル番組「報道ランナー」で、この姫路市の事故が取り上げられている。事故から10日経っても撤去が進んでいないことや地元の人の不安の声などの紹介に続き、5日に神戸市須磨区で起きた別のパネル崩落事故や、これらの背景にある設置審査の欠如などについて説明されている。

また、8月23日、同じく関西ローカルの読売テレビ「朝生ワイドす・またん!」で、神戸市の太陽光パネル設置規制条例案検討(参照)についてのニュースの中で姫路市の事故についても触れられていることが確認できる。

3年後の2021年7月18日には、NHKの「NHKニュース おはよう日本」が太陽光発電所の災害リスクについての特集を放送。同様の内容は、さかのぼり同年6月22日の「クローズアップ現代」でも放送されていて、姫路市の事故現場の映像が使われていることが分かる。

G-Searchのデータベースは放送内容の全てを網羅しているわけではなく、検索にヒットしないが実際には番組で取り上げられているケースもある。兵庫県議の竹内英明氏のオフィシャルブログによれば、事故から9日後の2018年7月16日、フジテレビ「とくダネ!」が西日本豪雨による太陽光パネル崩落について取り上げ、姫路市の事故現場の映像も流れたようだ。

姫路市の太陽光発電パネル崩落事故について、テレビでは少なくとも1つの全国放送の番組(「とくダネ!」)が比較的早い時期に報じていることが確認でき、その他にも地元ローカルの番組と時期の離れたNHKの報道が見付かった。今回確認できた以外でもテレビで事故が報道された可能性はある。

検証対象の投稿の「報道しない」という表現が、文字通り全く報道が存在しないということではなく、十分な量でないという意図の可能性はある。しかしながら、全国放送を含む複数の番組で取り上げられている以上「報道しない」というのは「不正確」と判定する。

(大谷友也)

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