アメリカがベネズエラ大統領を拘束
2026年1月3日、アメリカのドナルド・トランプ大統領は、ベネズエラの首都カラカスに軍事攻撃を行い、同国のニコラス・マドゥロ大統領を拘束した(参照)。マドゥロ氏はその後アメリカに移送され、収監された(参照)。
この件に関する誤った情報や誤解を招く情報のうち、日本で特に拡散された7件をピックアップし紹介する。
拡散されている誤情報・要注意情報は、「マドゥロ氏の拘束にベネズエラの市民が歓喜している」という内容のものが特に多い。しかし、在外ベネズエラ人を中心に、国外では拘束を喜ぶ群衆の様子が多く報じられている(参照)が、ベネズエラ国内で同じように大勢の市民が表立って喜びを表現する様子は伝えられていない(参照)。
歓喜する群衆?①

ベネズエラ国民がマドゥロ氏拘束に対し感謝と祝意を表している様子だとして、漫画家・文筆家の東雲くによし(孫向文)氏が引用投稿するなどして拡散されている動画。
しかし、この動画は2024年7月のベネズエラ大統領選挙の直後には既に投稿されていることが確認でき(例)、今回のマドゥロ氏拘束と関係するものではない。
2024年の大統領選では、勝利を宣言したマドゥロ氏に市民が反発し、大規模な抗議デモがベネズエラ各地で発生した(参照1、2)。動画はこの時のデモの様子を撮影したものと考えられる。
歓喜する群衆?②

ベネズエラ国民の歓喜の様子として、戸田市議会議員の河合ゆうすけ氏も引用し投稿している動画。
これも同じく2024年の大統領選の頃に投稿されていた(例)古い動画である。
引き裂かれたマドゥロ氏ポスター?

まとめサイト「Tweeter Breaking News-ツイッ速!」がマドゥロ氏拘束の関連として記事化するなどして拡散。
これも2024年大統領選の時の動画であり(例)、拘束とは関係無い。
倒されるチャベス像?

ウゴ・チャベス前大統領の像を倒すこの動画も、同じ時のものである。
マドゥロ氏はチャベス政権の元側近で、チャベス氏の死後に事実上の後継者として大統領に就任していた(参照)。このチャベス像は、2024年大統領選で勝利を宣言したマドゥロ氏に対する抗議の一環として倒されたのであり、今回の拘束に関連するものではない。
歓声が響く街?

歓声のような音声が聞こえる中、街並みを見下ろすように撮影された動画。ベネズエラ国内の光景として拡散されているが、実際は建物の様子などからチリの首都サンティアゴと分かる。
在外ベネズエラ人らがマドゥロ氏拘束を喜び歓声を挙げる様子は、サンティアゴを始め世界各地のものが伝えられている。しかし、ベネズエラ国外の動画を国内のものとするのは不正確だ。
旗を振る沿道の人々?

これも映像に映る周囲の様子からチリのサンティアゴと分かる。

泣き崩れる女性?

この動画はAIで生成された可能性が高い。画面端で掲げられているベネズエラ国旗に描かれたアーチ状の星(下図右)は、エクアドル国旗のような紋章に変わっている瞬間もあり(下図左)、不自然に絵柄が変化している。

(大谷友也)






