8月16日付にて、IFCN(International Fact-Checking Network、国際ファクトチェックネットワーク)へ認証団体としての審査申請が完了しました。

いくつもある審査基準をコツコツと記事を書き溜めつつ満たし、英語と格闘しつつ、たくさんの入力項目を全て入力し、IFCN側にそれらが保存されたことを示すのが上記スクリーンショットです。

IFCNは2015年に設立され、ファクトチェックの基本的な考え方を制定しました。こちらのページ(code of principles)に記されています。よりわかりやすい日本語訳は、ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)こちらのページにあります。

IFCNに審査申請する場合、いくつものハードルを超える必要があります。ファクトチェックの基本的な考え方をクリアするのはもちろんのこと、組織の透明性、独立性、中立性、資金源など、組織としてファクトチェックを実施するにふさわしいかも見られます。また、ファクトチェック記事の執筆にあたっては、署名、かつそれが本名であるかも条件になります。ペンネームは不可です。

ファクトチェックの特徴としては、レーティングをもって情報の正確性を評価することがあります。このレーティングについては、IFCN自体は明確な基準は提供しておらず、各団体が基準を定めています。日本国内においては、FIJが一例として基準を制定しています(こちら)。

例えばアメリカの老舗ファクトチェック団体、PolitiFactでは、「Truth-O-Meter」と題し、メーターのアイコンを使用して以下のように制定しています。

  • TRUE(正確)
  • MOSTLY TRUE (ほぼ正確)
  • HALF TRUE(半分正確)
  • MOSTLY FALSE (ほぼ誤り)
  • FALSE(誤り)
  • PANTS ON FIRE(でたらめ)

その気がなくとも誤情報を拡散してしまったり、わざと偽情報を発信したりする人は後を絶ちません。誤情報・偽情報を発信する側は深く根拠も確認せずそういうことをしてしまうわけですが、これらをファクトチェックする側は、根気よく原典にあたり、根拠を探し、時には難しい論文にも目を通し、専門性が必要とされる分野には専門家に取材するなど、大変な手間をかけて情報が正確かどうか判断します。

それだけの手間をかけても、情報の拡散度ではなかなか追いつかないのも実情です。それでも、正しい情報を発信する、発信し続けることに意味があります。誤った情報を元に、よりよい生活を送ることはできません。少し大げさに思われるかも知れませんが、議論をもとに構築していく民主主義は、正しい情報がなければ成り立たないものなのです。民主主義が破壊されている国の情報がどうなっているかは、国際情勢を眺めていると伝わるかと思います。

少しでもよりよい生活を送るために、リトマスの発信する情報が役立ちますよう努力してまいります。IFCNの審査には、半年~1年かかるともされており、結果が出るのは先になります。審査に通るよう、応援いただけると幸いです。

(西村晴子)