こんにちは、リトマスです。おかげさまで7月1日に開始したクラウドファンディングも半月以上がすぎ、200人の支援をいただき、目標額の60%までたどり着きました。目標額まではもう少し足りないので、すでに支援していただいた方でも周りの方にお伝えいただいたりなどお願いできれば大変助かります。
リトマスを立ち上げた経緯はクラウドファンディングのページにも詳しく書いておりますが、簡単に説明しますと、「日本初の国際的基準を満たしたファクトチェック専門メディアを作りたい」ということです。この国際的基準は、IFCN(International Fact-Checking Network、国際ファクトチェックネットワーク)が定めています。G20各国のうち、この国際的基準を満たしたファクトチェック団体が「ない」国は、中国、ロシア、サウジアラビア、そして日本のみです(カナダは過去あったが現在期限切れ。中国は本土にはないが香港、台湾にはある)。
IFCNが発足したのは割合と最近で、2015年です。「ファクトチェック」という言葉もそれ以降にだんだん浸透してきました。日本では実は、2011年の東日本大震災後に飛び交った誤情報・偽情報を検証すべく、個人や団体を立ち上げての検証が始まっています。まだファクトチェックという言葉や概念がない頃です。代表的な例として、代表理事の大谷友也のTwitterアカウントや、アドバイザーとして関わっている弁護士・楊井人文氏の立ち上げたGoHoo(アーカイブ、サイトは公開終了)があります。地道に情報の検証を続けるうちに、世界情勢もファクトチェックへの流れが起き、米大統領選など大規模に誤情報・偽情報が飛び交いやすい時期を経て、世界中にファクトチェック団体が生まれてきました。
いわゆる「ファクトチェック」への萌芽はIFCNの発足より早かった日本でしたが、なかなか後に続くメディアが現れず、現在も独立系メディアや新聞社が手掛けてはいますが(例として、ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)のガイドライン活用メディアがこちら)、専門で、とはいかない状態です。記事が出る頻度も正直なところあまり頻回にとはいきません。そんな中で、IFCNの国際的基準を満たすメディアがないことに危機感を覚えたメンバーが自然発生的に集まり、「今やるしかない」と立ち上がったのがリトマスです。
リトマスは、ファクトチェック「専門」メディアをうたっています。その上で、IFCNに現在、審査の申請を準備しています。審査に通れば、日本初の、国際的基準を満たした、ファクトチェックを専門にするメディアが誕生するわけです。現状でも、「専門」という意味では日本に類を見ません。
ファクトチェックの萌芽は早かったのに、いつの間にか世界の主流から遅れてしまった日本。遅れを取り戻すために、リトマスは努力していきます。今はまだ編集部も小さく、ヨチヨチ歩きの状態ですが、歩みを止めずに頑張っていく所存です。見守っていただければ幸いです。
(西村晴子)