ネパール・中国国境地帯で大規模土石流

2026年8月26日、ネパールと中国・チベット自治区の国境地帯で、大規模な土石流が発生した。集落や建物が押し流され、多数の死者や行方不明者が出ている(参照12)。

本記事では、この件に関する誤った情報や誤解を招く情報のうち、特に日本で拡散されたものをピックアップし紹介する。

※2026年9月6日追記:Vol.2を作成しました。

ネパールの街のビフォー&アフター?

ネパールの街が土石流に襲われた前後の様子とされる画像。同じ画像はロシア国営メディアSputnikのX公式アカウントも投稿している

しかし、この画像はAIで生成されたものだ。画像には不可視の電子透かし「SynthID」(参照12)が含まれており、検出ツールの結果から、ChatGPTなどのOpenAIのツールで生成されたことが判別できる。

OpenAIのツールによる画像分析結果

洪水で飲み込まれる街?

山間の街で、川に沿って流れてきた濁流が襲う動画。

この動画は1年前の2025年8月に既にXなどで投稿されているため、ネパールの災害とは無関係だ。当時インドで起きた鉄砲水の映像と酷似しており、同じ光景を映したものと考えられる。

戦闘機がダムを空爆?

上空を戦闘機が通過した後、ダムが爆発・崩壊して洪水が起きるという内容の動画。

Lead Storiesによれば、この動画は少なくとも2026年5月にはSNS上で投稿されており、その時点ではAIツールのウォーターマークが表示されていた。また、VERA Filesによれば、各種ツールによる分析からも動画がAI生成であることが分かる。

なお、今回の土石流の実際の原因は氷河の崩落だとされている(参照)。

崩れる斜面から命懸けで救出?

崩れつつある斜面を掘り、埋もれていた人たちを救出する人々の動画。

実際にはこれは、2023年3月、コンゴ民主共和国で崩落した金鉱山から鉱山労働者たちが助け出された時の映像だ。

ネパールの洪水の映像?

ネパールのものとされる複数の映像をつなぎ合わせて編集した動画。

しかし、Openの検証によれば、この中には2021年7月日本・熱海市で起きた土石流など、今回の災害とは無関係な別の国・時期の映像が複数含まれている。

投稿動画より。左は2021年7月日本・熱海市、右は2026年7月場所不明の映像
投稿動画より。左は2023年12月アルゼンチン、右は2025年7月パキスタンの映像

なお、投稿者は洪水の原因を「手抜きダム」と示唆しているが、現在報道などされている限りではそのような情報は無く、この点も真偽不明である。

(大谷友也)

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