検証対象

リプをブロックされているので間違いを正しますが、参議院予算委員会では答弁に費やされた時間が質問者の時間にカウントされない「片道方式」となっています。 なので、「杉尾委員の質疑時間を奪う」というのは大ウソです。 立憲民主党は、息を吐くように嘘をつく集団ですね。
(※田島麻衣子氏(参議院議員)の投稿を引用)

一般ユーザーのX投稿(2026年6月23日、約2000リポスト)

判定

誤り

判定の基準について

この日の参議院予算委員会は片道方式ではなく、答弁時間も含めて質疑時間にカウントする往復方式で行われた。

ファクトチェック

2026年6月22日の参議院予算委員会(以下「参院予算委」)の審議では、立憲民主党の杉尾秀哉参院議員が自民党総裁選期間中の中傷動画とされるものや暗号資産「SANAE TOKEN(サナエトークン)」への高市早苗首相の関与について質問したのに対し、高市氏は自身や秘書らの関与を否定した(参照)。この時のやり取りは参議院公式ページ内の動画(2:04:28頃~)でも確認できる。

立憲民主党の田島麻衣子参院議員は、高市氏が「質問に正面から答えず、聞かれてもいない『自分の流儀』を語り続け、杉尾委員の質疑時間を奪った」とXの投稿で批判。これに対し、参院予算委の質疑は片道方式であり答弁時間はカウントされないとして、田島氏の投稿を「間違い」「大ウソ」としたのが、検証対象の投稿である。

集中審議は往復方式

しかし、この日の質疑は実際には往復方式で行われており、片道方式ではない。

国会審議では会派ごとに質疑時間が定められていて、その割り当ては与野党の協議によって決定される。この質疑時間を、質問時間のみの合計としてカウントするのが片道方式、大臣等の答弁の時間も含めるのが往復方式だ。往復方式の場合は答弁が長引けばその分だけ質問者の持ち時間が減ることになるが、片道方式では答弁の長さにかかわらず質問に使える時間は変わらない。

参議院の資料によれば、参院予算委の質疑は片道方式が原則だが、公聴会や集中審議などについては例外的に往復方式で行われる。6月22日の参院予算委で行われたのは集中審議であり(参照12)、したがって質疑は往復方式となる。このことは、予算委員長である藤川政人参院議員(自民党)が審議冒頭に次のように述べていることからも分かる。

本日は内外の諸課題に関する集中審議を往復方式で180分行うこととし、各会派への割り当て時間は、自由民主党・無所属の会28分、立憲民主・無所属50分、(後略)

2026年6月22日参院予算委、藤川政人予算委員長の発言(動画1:09:04頃~)

実際に、立憲民主党(無所属議員との統一会派)の質疑は、質問・答弁・委員長発言・中断を合わせて約52分(動画1:38:34頃~2:31:08頃)行われており、高市氏らの答弁を含めた往復方式の時間となっていることが分かる。

投稿者も訂正

田島氏はその後、自身の投稿に付けられたコミュニティノートに反論する形で、「このノートこそ、誤りです」「昨日の予算委員会は『往復方式』でした」と投稿。予算委で質問した杉尾氏も、「昨日の予算委員会は総理入り『集中審議』で、集中審議は『往復方式』となり、答弁時間の込みのカウントとなります」と投稿した。

こうしたことを受け、検証対象の投稿者は「昨日の集中審議は片道方式ではなかったそうです。失礼しました」と誤りを認めて訂正している。しかし、元の投稿は本稿執筆時点で削除されていない。

検証対象の投稿者による訂正投稿

投稿は誤り

検証対象の投稿は、参院予算委の質疑が片道方式で行われるという前提を基に、杉尾氏の質疑時間が削られたとする田島氏の投稿を「間違い」「大ウソ」と主張したものである。参院予算委において、原則が片道方式というのは事実である。しかし、田島氏が話題にしている6月22日の質疑は往復方式で行われており、答弁側の発言の長さは実際に質問側の持ち時間に影響する。投稿は、その根幹的主張が事実と異なるため、「誤り」であると判定する。

なお、答弁の中で高市氏は、これまで自分は他の候補者の中傷や批判はせずに政策を訴えてきたとして、「これは私の政治家としての矜持であり、誇りでもあります」と述べている(動画2:07:25頃~)。田島氏の言う「自分の流儀」に関する発言とはこれを指すと思われるが、高市氏が質問に正面から答えなかった、聞かれてもいないことを語り続けたといった田島氏の主張については、主観的な意見となるため本稿では検証対象としない。

(大谷友也)

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