検証対象

差別じゃない。 嫌なら帰れ。
(※画像付き投稿)

一般ユーザーのX投稿(2026年6月12日、約7000リポスト)

判定

誤り

判定の基準について

この画像は生成AIで作成されたもので、実在の報道ではない。

ファクトチェック

検証対象の投稿には、ニュース映像のスクリーンショット風の画像が添付されている。画像は盆踊りの会場のような場所でヒジャブ姿のイスラム教徒(ムスリム)の女性がインタビューに答える構図で、「盆踊りは差別的な行事です」というテロップが付いている。画面には他にも「東京・世田谷区」「先週末」などのテロップがあり、左上にはTBS系列のニュース番組「news23」を思わせるロゴが表示されている。

検証対象の投稿は約7000リポストを獲得したが、現在は削除されている。

このほか、同じ画像のテロップを英語に置き換えたものも拡散された。こちらは約4500リポストを獲得しているが、投稿後に「AIで生成」というラベルが追加された。これは投稿コンテンツがAIで生成または加工されたことを示すもので、投稿者が自ら付与する場合と、自動判定によって付与される場合がある(参照12)。

英訳された投稿。「AIで生成」のラベルが後から付与された。丸囲み強調は筆者による

OpenAIの電子透かし

しかし、この「盆踊りは差別的」という画像は生成AIで作成されたものであり、実際に放送されたインタビューではない。

画像をOpenAIの検出ツールにかけると、「OpenAI 由来の SynthID ウォーターマークが検出されました」と表示される。SynthIDはGoogle DeepMindが開発した電子透かし(ウォーターマーク)で、AIで生成または加工されたコンテンツを識別するために埋め込まれる目に見えない印である(参照12)。現在、GoogleのほかOpenAIなどがこのSynthIDに対応している(参照)。この画像の場合、ChatGPTなどのOpenAIのツールで生成されたということになる。

OpenAIのツールによる検出結果

番組ロゴと一致せず

SynthID以外にも、いくつかの要素からこの画像が本物でないことは判別できる。

最も顕著なのが、画像左上の「NEWS23」という青いロゴだ。これはTBS系列のニュース番組「news23」を表しているようだが、news23では現在VTR中に黄色い吹き出しに小文字で「news23」と書かれたロゴを表示しており、検証対象の画像のような青い正方形に大文字表記のロゴとは食い違う。

左:検証対象の画像より一部拡大 右:news23の現在のロゴ(動画から一部拡大)

news23で現在の番組ロゴが使われ始めたのは2023年9月からだが、さかのぼって先代(2019年6月~2023年9月)、先々代(2016年3月~2019年5月)など、どの時期を見ても問題の画像のようなロゴは存在していない。

また、後ろで踊る人たちの浴衣の柄にバリエーションが少なく、2種類(白地に小さな柄、紺地に白の花柄)程度しかないように見えるのもやや不自然だ。

検証対象の画像の部分拡大

さらに、日付が曖昧な「先週末」という表記は報道映像のテロップとして考えにくい。

news23をはじめ、報道機関がこのような盆踊りに対する抗議やインタビューを報じた事実は確認できない。

以上のように、検証対象の画像はAIツールで作成されたことを示す電子透かしを含むこと、ロゴが実在の番組のものと一致しないことなどから、AIで生成された架空のものと考えられ、「誤り」と判定する。

(大谷友也)

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