検証対象

【悲報】日米首脳会談 握手を無視される…
(※画像付き投稿)

一般ユーザーのX投稿(2025年2月8日、約5000リポスト)

判定

ミスリード

判定の基準について

トランプ氏はこの後すぐに振り向き、石破氏と笑顔で握手を交わしている。

ファクトチェック

2025年2月7日(日本時間8日未明)、日本の石破茂首相とアメリカのドナルド・トランプ大統領の初めての首脳会談が大統領官邸のホワイトハウスで行われた。通常冒頭の2、3分だけしかメディアに公開されないとされる首脳会談が20分以上カメラの前で行われたため、日テレNEWSはこれを「異例中の異例」と評している。

検証対象の投稿画像には、この会談で石破氏がトランプ氏に手を差し出すもののトランプ氏が反対の方を向いている様子が写っている。

画像は握手直前の場面

しかし、この画像は会談映像の一部だけを切り取ったものである。実際には石破氏とトランプ氏は笑顔で握手を交わし写真撮影に応じており、その様子はホワイトハウスの公式Xアカウントからも投稿されている

問題の画像は、この握手の直前の場面を捉えたものだ。一連の映像はNHKのほか、FOX 5 Washington DCなどのアメリカメディアも報じている(映像は同一)。

石破氏との対談と、報道陣との質疑を終えたトランプ氏は、挨拶の声などが周囲に響く中、画面外の方向を眺めたり笑顔を送ったりしている。石破氏が手を差し出し声を掛けても気付いていない様子で、この瞬間が検証対象の1枚目の画像にあたる。なお、トランプ氏はこの瞬間ちょうど瞬きをして目を閉じている。

検証対象の画像1枚目と一致する瞬間。石破氏が手を差し出し声を掛けるが、トランプ氏は気付いていない様子で、ちょうど瞬きしているため目を閉じている。NHK記事挿入動画(「【動画 27分29秒】日米首脳会談」)より(27:06頃)
検証対象の画像1枚目と一致する瞬間。石破氏の握手の求めにトランプ氏は気付いていない様子で、ちょうど瞬きしているため目を閉じている。NHK記事挿入動画(「【動画 27分29秒】日米首脳会談」)より(27:06頃)

しかし、通訳が声を掛けるとトランプ氏はすぐに振り向き、石破氏と笑顔で握手を交わしている。

画像2枚目と一致する瞬間。石破氏の後ろに座る通訳がトランプ氏に声を掛けようと身を乗り出す(27:08頃)
通訳に声を掛けられ、石破氏の方に振り向くトランプ氏(27:10頃)
通訳に声を掛けられ、石破氏の方に振り向くトランプ氏(27:10頃)
笑顔で握手を交わし、カメラの方を向く2人。トランプ氏はもう一方の手で石破氏の手を軽く数回叩く(27:16頃)
笑顔で握手を交わし、カメラの方を向く2人。トランプ氏はもう一方の手で石破氏の手を軽く数回叩く(27:16頃)

また、会談の冒頭ではトランプ氏の方から手を差し出し石破氏と握手する場面もあった。

会談冒頭、石破氏に握手を求めるトランプ氏(0:45頃)
会談冒頭、石破氏に握手を求めるトランプ氏(0:45頃)
石破氏はトランプ氏の手を取り握手する(0:46頃)
石破氏はトランプ氏の手を取り握手する(0:46頃)

「握手を無視」はミスリード

検証対象の投稿は、日米首脳会談で石破氏がトランプ氏に握手を無視されたと主張している。確かに、会談後の場面で石破氏の声掛けに対しトランプ氏の反応が遅れたのは事実で、トランプ氏が石破氏を故意に無視した可能性も完全には否定できない。しかしながら、検証対象の投稿は、その後すぐに振り向き握手に応じたという重要な情報が欠けているため、「ミスリード」であると判定する。

(大谷友也)

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事を読んでよかった、役に立ったと思われた方は、ぜひ「ナットク」やシェアボタン(右下)をクリックして、サポーターになっていただけると嬉しいです。
記事で気になるところがありましたら、こちらからコメントください。
新しいファクトチェック記事のお知らせメールを希望する方はこちらで登録できます。