検証対象

I was laid off from Twitter this afternoon. I was in charge of managing badge access to Twitter offices. Elon just called me and asked if I could come back to help them regain access to HQ as they shut off all badges and accidentally locked themselves out.
筆者訳:今日の午後Twitterを解雇された。私はTwitterオフィスの入館証を管理する担当だった。たった今イーロンから電話があって、戻って来て本社へのアクセスを取り戻せるようにしてくれないかと頼まれた。彼らは全部の入館証を停止し、うっかり自らを締め出してしまったのだ。

一般ユーザーのTwitter投稿(2022年11月18日、約4.4万RT)

判定

虚偽

判定の基準について

解雇された元Twitterスタッフを名乗るこのアカウントは、投稿がパロディであることを明らかにしている。

ファクトチェック

2022年10月に米Twitter社を買収しCEOに就任した起業家のイーロン・マスク氏は、スタッフの大幅削減などの改革方針を次々と決定。一方で、本社オフィスが一時閉鎖されたり、解雇を通告されたスタッフが再び呼び戻されたりといった混乱も生じたと報じられている。オフィス閉鎖の理由として、ブルームバーグは「誰が引き続きツイッターのオフィスに入れるかについて混乱が生じた」と伝えている。

検証対象のツイートの投稿者は、自分はTwitterで入館証を管理するスタッフだったが解雇されたといい、ミスによってオフィスに入れなくなってしまったマスク氏に電話で助けを求められたと述べている。

このツイートは世界中で関心を集め、日本でもこれを引用したツイートが1500RTと拡散された。また、ウェブメディアのGIGAZINEでも事実であるかのように紹介されている。

日本で拡散されたツイート

パロディアカウントと表明

このツイートを投稿したのは、アカウント名の横に青い認証マークを持つユーザーだ。このマークは以前までは企業や著名人などの公式アカウントのみが持つことができ、アカウントが本物であることの証として機能していた。

しかし、11月以降このマークは有料サービスTwitter Blueに登録したアカウントにも表示され、料金を払えば誰でも付けられるようになった。従来の公式アカウントを表すマークとは見た目は同一だが、マークをクリックした時に現れるメッセージによって識別できる。

問題のアカウントとアメリカ大統領アカウントの認証マーク

今回の投稿者であるユーザーが付けていたのはこのTwitter Blue登録者のマークの方であり、元Twitterスタッフとしての名前や肩書きが本物であることを証明するものではない。さらに、プロフィール欄には「Mostly parody account(ほとんどパロディのアカウント)」と書かれていて、そもそもジョーク用のアカウントであることが明示されている。

このユーザーは後に、アカウント名に「パロディ」と入れようとしたがエラーになったとツイート。現在、Twitterでは新たななりすまし対策として、公式アカウント・Twitter Blue登録者ともに、認証マークを付けたユーザーはアカウント名を変更することができなくなっている

アカウント名の変更を試みたとするツイート

また、このユーザーは、Twitterを解雇されたとするツイートの1週間前には、経営破綻した暗号資産交換大手FTXトレーディングを解雇され別の大手投資会社へ行くことになったとツイートしている。話題の企業を解雇されたとする内容が共通しているが、これも「パロディ」の一環と思われる。

別の会社で解雇されたとする1週間前のツイート

マスク氏が感謝?

このように「パロディ」を表明しているアカウントのツイートが、あたかも本物の元Twitterスタッフの話のように拡散された大きなきっかけが、名前を出されたマスク氏本人の反応だ。マスク氏は問題のツイートに直接返信し、「助けてくれてありがとう。君は命の恩人だ!」とツイートしている。

マスク氏の返信

この返答によって話を本気にする人がますます増えたようだが、上述のようにこの話はあくまで「パロディ」であり、マスク氏はジョークとしてあえて作り話に乗っただけのようだ。

検証対象のツイートは、他愛の無い冗談の類とも言えるが、意図的に誤った情報を述べる行為としてリトマスのレーティング基準に基づき「虚偽」と判定する。

(大谷友也)

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