検証対象

広島・長崎、原爆の真実❗❗
(※画像付き投稿)

一般ユーザーのTwitter投稿(2022年8月4日、約1300RT)

判定

誤り

判定の基準について

ツイートに添付された画像は、広島に投下された原子爆弾「リトルボーイ」ではなく、アメリカで行われた核実験「トリニティ実験」で使用が予定されていた格納容器「ジャンボ」。リトルボーイは原爆投下に使用された爆撃機に搭載可能な重さである。

ファクトチェック

このツイートに添付された画像では、1945年8月6日に広島で投下された原子爆弾について、「核爆弾は、とても巨大で、飛行機につめるようなサイズではない。飛行機に積めるサイズ迄小型化に成功して、広島を爆撃したと本気で信じていますか?」という文とともに巨大な楕円形の物体の写真がある。

画像は実験用の格納容器

しかしこの写真は、広島に投下された原子爆弾「リトルボーイ」ではない。1945年7月16日に行われた世界最初の核実験「トリニティ実験」で使用するためにつくられた「ジャンボ」という格納容器だ。

アメリカの国立原子力科学・歴史博物館と提携するアトミック・ヘリテージ財団のホームページでは、ジャンボについて次のように説明されている(筆者訳)。

トリニティ実験場で炸裂した「ガジェット(※筆者注:トリニティで使用された実験用原爆)」は、2つの爆発を引き起こすものだった。最初は通常のTNT火薬による爆発、そして最初の爆発により始まる連鎖反応が継続すれば、続いて核爆発が起きる。ジャンボはロス・アラモス研究所のX2-Aセクションが設計し、トリニティ実験の爆発に対するフェールセーフ装置の役目を果たすはずだった。グローブス少将(※マンハッタン計画の指揮者)が1,200万ドルを費やしたジャンボは、直径10フィート(※約3メートル)、長さ25フィート(※約7.6メートル)の鋼鉄製の格納容器である。外壁の厚さは14インチ(※約36センチ)で、装置全体の重さは200トンであった。
ジャンボが作られたのは、通常爆発は成功したが核爆発は失敗したという場合に備え、ガジェットを封じ込め貴重なプルトニウムの損失を防ぐためである。ジャンボをトリニティに運ぶため、レールに加え特製の64輪のトレーラーが使われた。しかし、実際にトリニティ実験が行われる頃になると、マンハッタン計画の関係者たちはこのプルトニウム爆弾に十分な自信を持っており、またハンフォードからのプルトニウム調達の流れも十分に安定していたので、ジャンボは不要と判断された。実験ではジャンボは塔から吊り下げられ、核爆発に持ちこたえた。(後略)

アトミック・ヘリテージ財団ホームページより、筆者訳

上述の通り、ジャンボは全長約7.6メートル、直径約3メートル、重さ約200トンである。一方、トリニティ実験の後1945年8月6日に広島に投下されたリトルボーイは全長3.2メートル、直径71センチ、重さ4トンだ。広島で原爆を投下したB-29爆撃機(「エノラゲイ」)は、全長30.2メートル、全幅43.1メートル、最大爆弾搭載量は9トンだった。ジャンボの重さではB-29に搭載することはできないが、実際に投下されたリトルボーイはB-29の最大爆弾搭載量を下回り、搭載可能な重量だった。

今回のツイートに添付された画像は、広島に投下された原子爆弾ではなく、アメリカの核実験で使用されたものであり、実際に投下された原子爆弾はB-29に搭載可能な重さであったことから「誤り」だと判定する。

(小俣杏香・大谷友也)

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